2025年8月30日土曜日

西ロンドンでポーランド料理・プレス公演観劇

西ロンドンのハマースミスにある劇場、リバーサイド スタジオでマスコミお披露目公演を観てきました。


仕事先のつてでチケットが手に入ったので
ロンドン中心から少し離れたハマースミスにある劇場を訪れました。


蝶とダリア 水彩画
蝶とダリアの水彩画



普段食べないようなものにトライしたいと思ったので
劇場に行く前に

ハマースミスにあるポーランド文化センター内の
カフェでポーランド料理を食べることにしました。


ハマースミス ポーランド文化センター カフェ

簡素なたたずまいのカフェ。
常連のポーランド人らしきお客さんがちらほら。

前菜でビーツのスープを注文しました。
ボルシチみたいなのがでてくると期待していたのですが


ポーランド ビーツのスープ

具が全然入ってなくて
これビーツのゆで汁なのでは?
スパイスがきいた味付け。


ポーランドのピエロギ

これはピエロギと呼ばれる
ポーランド風餃子です。

味は餃子からニンニクとニラを抜いたような感じでした。

このマグカップ一杯のビーツのゆで汁と
小さな餃子4つでは足りん…

ということでほうれん草のパンケーキを追加注文しました。


ポーランドのパンケーキ

結果的にはこれが一番美味しかったです。

ほうれん草がいっぱい詰まったパンケーキに
マッシュルームが入ったホワイトソースと
サラダがついていました。


ハマースミス ブリッジとテムズ川


西ロンドンは家から遠いので
何か用事がない限りめったに訪れないのですが

ハマースミス ブリッジがかかったテムズ川沿いは
高級住宅街で雰囲気があって素敵です。

カヌーのローイングクラブなどがあり
その周辺のテムズ川沿いのパブも
いい感じでおすすめです。

劇場のリバーサイドスタジオもその名の通り
テムズ川沿いにあります。

劇場、バー、レストラン、美術館、高級マンションが入った
複合施設です。

劇場が開くまでテムズ川沿いに座っていましたが
隣に座っていた若い二人の男性の会話に耳を傾けると

「イギリスの下町英語を
アメリカ人かヨーロッパ人に書かせたみたいで
どうにも不自然なんだ。

アマゾン側がこれじゃだめだっていうんで
何回も書き直しさせられた。
書き直せば書き直すほど払ってもらえるから
僕は全然かまわないんだけどね。」

会話から察するに彼はアマゾン プライムの番組の
脚本家のようでした。偶然劇場でも私の前に座っていました。

劇「インタビュー」は2003年に
オランダで制作された映画が元になっていて

落ちぶれた政治ジャーナリストが
インフルエンサーをインタビューし
お互い話していることが嘘か真実か

牽制、葛藤、誘惑が入り乱れたストーリー展開でした。


リバーサイド スタジオ

終演後、隣に座っていた男女二人組に
感想を述べていたところ(途中中だるみしたけど
ラストは意外な展開でよかった)

男の人が「もう百回ぐらい観てるから感覚麻痺してる」というので

関係者の方ですか?ときいたら

ジャーナリスト役の主役の男性の代役の俳優さんでした。
(プログラムの写真をみせてくれたら本人だった)

すみません、中だるみしたとか失礼なこと言ってとあやまると

いや、関係者以外の人の正直な意見をきくのは大事です、と。

私が働いてる劇場は数年、数か月単位で公演が続くので
必ず何回かは代役の俳優さんが舞台に立つチャンスがありますが

この劇は5週間で終わるそうなので
この代役さんが舞台に立つチャンスはあるのだろうかと
考えてしまいました。



















2025年8月23日土曜日

ミレー展から教わる農業の尊さ

ロンドン、ナショナルギャラリーで開催中のミレー展に行ってきました。


ジャン フランソワ ミレーは19世紀に活躍したフランス人画家です。
農家で生まれ育ち、後継ぎとして農業にも携わっていましたが
画家としての才能が芽生えてから
フランス国立美術学校で学び
サロンで多数の作品が入賞しています。

身を立てるために肖像画や
アカデミーで認められるために宗教画なども手掛けていましたが

本人の思い入れが一番大きく後に有名になったのは農民画です。 


ミレー

最も有名な「落穂拾い」が
なかったのが残念ですが
これは同じくらい有名な「晩鐘」

ミレーの祖母が
農作業中に教会の鐘の音が鳴るたびに
作業を中断して祈りをささげていたことから触発されたそうです。


私は幼少のころミレーの伝記を読んだ記憶があるので
日本でも名前が知られていたのではないかと思います。

この伝記なのですが
ミレーの死後に友人が伝記を出版し
ミレーが敬虔で清貧な
農業に身をささげる傍ら農民を描き続けたという
「ミレー伝説」を作り上げ、こういった道徳観が

日本やアメリカで大うけしたようです。
(私が読んだ伝記もおぼろげな記憶でそんな感じだった覚えが)


ミレー展

これもかなり有名な「箕をふるう人


イギリス人美術史家が指摘したところによると

実際のミレーはパリやバルビゾンで
サロンへの作品提出や
パトロンを求めて絵で身を立てることに
生涯をささげていたので正確さに欠けるということでした。


ミレー 種まく人

これは有名なボストン美術館所蔵の
「種まく人」のシンプルバージョン


ミレー 牛乳を運ぶ女

感動した「牛乳を運ぶ女」。
牛乳がこぼれないように
壺の蓋代わりに若草が詰められており

肩に担いだ壺を安定させるため
革ひもを頭部に引っ掛け
手首に通している。

夜更けで月が登り始めた光が美しい。


ミレー 絵画

落ち穂をかき集める二人の農婦。
裸足で立っている若い女性と
疲れた様子の年配の女性が対照的。


ミレー 作品

薪を背負った女性たち。
なんだか人生の比喩のようにも感じられる。

ミレーの作品に登場する農民たちは
顔の表情などが細かく描き込まれておらず

陰影などで縁取られているのが
更なる威厳を醸し出しています。

人物自体も細々と描き込まず

シンプルな輪郭で動きを巧みにとらえ
人物の人生を反映したような
構成で支えられています。

現代においても
人が生きていく糧を生み出す
農作業の尊さに感嘆させられる作品たち。

生涯農業に携わっていたわけではなくても
子供の時から農民を写生し

農業に親しんだ人にしか描けない
肉体労働への尊敬の念がひしひしと伝わってきました。

こういったテーマは洋の東西を問わず
感動をもたらしますね。



















2025年8月17日日曜日

ブライトンのカフェで人間観察

イギリスの南部にある海辺の街、ブライトン近郊に移り住んだ友人を訪ねた後、ブライトンの街を散策しました。



ロンドン 裏庭 スケッチ

まだまだイギリスとしては暑い日が続くロンドン。
といっても30℃ですが。
ブライトンは南部ながら海辺なので多少涼しかったです。


イギリス ブライトン

ロンドンと比べて素敵で個性のある小さなお店を
たくさん見かけ、久しぶりにウィンドーショッピングを楽しみました。



ブライトンのコーヒーショップ

コーヒーショップの多さには
驚かされました…


ブライトンのカフェ


小さな子供のいる友人には
ブライトン散策は付き合ってもらえなかったので

帰りの夜の電車に乗る前に
夕食を兼ねてサンドイッチを食べました。

ハムとアジア風ドレッシングのコールスローが
入ったサンドイッチ、美味しかったです。

閉店間近だったのでほとんどお客さんはいませんでしたが

斜め前にヘッドフォンをつけた
若い男性が二人
ラップトップを使って黙々と作業に励んでいました。
(写真左上にラップトップの白いコンセントがみえています)

他のブロガーさんとも話題になった
「カフェでラップトップを使って
働いてる様子の人は何をしているのか」

画面がみえるので私は眼鏡をかけて
目を凝らして何をしているのか観察していました。

しばらくたって二人の男性は話をしだして

「ここは削除した方がいいと思う」
「これはここに動かした方が…」
という会話と画面から判断すると

どうもミュージックビデオの編集をしていたようです。

これだけカフェがすいてて閉店前だと全然問題ないと思いますが

日本でニュースになったかどうか不明ですが

韓国のスタバでラップトップだけではなく
プリンターから仕切りまで持ち込んで
出張オフィスを設置する強者のお客さんが増えてきて

スタバが「ラップトップ以外のオフィス機器の持ち込み禁止」
という通達を出したというニュースが。

「他のお客様の迷惑になりますので(そりゃそうだわ)」

でもオフィス機器をスタバに持ち込むって
タクシーで乗り付けてきてるのかな?
それともマイカー?

ロンドンでもラップトップの持ち込みも
禁止するお店も増えてきているそうです。

「紅茶一杯で一日粘られた日には商売にならない」

ごもっともです。

私がやったことがない理由は
多分いたたまれなくなって
集中もできなくなると思うからです。

家の近所のカフェを通るたびに
ラップトップで仕事をしているお客さんを必ず数人は見かけましたが

こういう光景もだんだん減っていくのでしょうか?








2025年8月10日日曜日

英国で話題のジャパニーズ ウォーキングの効果

今イギリスのメディアで火がついている「ジャパニーズ ウォーキング」。


信州大学の教授が提案した運動法だそうですが

3分間息が切れるほどの速足で歩いて
後の3分間を普通に歩くというのを
30分繰り返すという特にすごく革新的というわけでもない方法ですが

運動不足の人も気軽に始められるという理由でしょうか
イギリスのあらゆるメディアで取り上げられ

TikTokなどでインフルエンサーが実践している
投稿がたくさん見られます。

Sono Scott スズメの水墨画
スズメの水墨画にチャレンジしてみました♬



速足、普通のペースを繰り返すことによって

スタミナ、筋力、酸素吸入能力が改善し
ペースを落とすときに回復できるので
運動不足の人も長い時間、長い期間続けられるとのこと。

ジャパニーズ ウォーキングは
姿勢、呼吸法などを意識しながら歩く
「マインドフル」な運動であるそうです。

私は以前ランニングをしていたのですが

まず右ひざを痛めて回復に1年近くかかり
治ってからまた走り出したのですが

今度は左かかとを痛めて回復に半年以上かかってから
ランニングはあきらめました。

フィジオの先生には
「もったいないからあきらめないでランニング続けたら?」
と言われましたが

今度負傷したらまともに歩けなくなるんじゃないかという恐れから
もうランニングはいいわー、という感じです。

運動不足を避けるため
このジャパニーズ ウォーキングに近いことを
ブームになる前から実践していました。

買い物に行くときや家から森林までの距離
地下鉄の駅まで歩いていくときに実践できるので

運動のために時間を取らなくてよくて
時間の節約になるのも魅力です。

ただ若い人にはこれだけでは物足りないみたいで

マリクレールukのヘルス ジャーナリストも
「5日目くらいから飽きてきた。 毎日は続けないかも」
と書いてました。

普段歩くときに意識するだけでも最初の第一歩ですよね(^▽^)/



2025年8月3日日曜日

アート本に作品が掲載・サーペンタインパビリオン

私の作品、「冬の森林」が「101 アートブック 自然エディション」というアート本に掲載されました!


Sono Scott アートブック

自然をテーマにした
世界中のアーティストの素敵な作品が
たくさん掲載されています。



Sono Scott アートブック

この本はアマゾンと大手アメリカ系書店
バーンズアンドノーブルのオンラインショップで発売中です。





毎年夏にケンジントンガーデン内の
サーペンタイン ギャラリーの横に

サーペンタイン パビリオンという
選考委員によって選ばれた建築家が手掛けた
一時的な建造物が夏の間だけ姿を現します。



ロンドン サーペンタイン パビリオン

パビリオン内で販売しているコーヒーが美味しかった!

過去には日本人建築家が手掛けた
建築物もありました。

ロンドン サーペンタイン パビリオン

2025年度に選ばれたのは
バングラディシュの女性建築家
マリナ タバッサム

パビリオンの中央のイチョウの木は
「パビリオンが解体撤去された後も成長し続けてほしい」
との願いから植えられました。



このビデオで空中から見ると
建物がカプセルの形をしているのが分かります。

錠剤みたいにもみえるけど…

中央部が開いているのは

年中暑いバングラディシュの建物に
野外を取り込むようなオープンスペースが
設けられているところからインスピレーションを。

思えば昔の日本家屋もそういった建て方でしたよね。
ただ現在のエアコン中心の生活だと
そういった建て方をするのは難しいかもしれませんね。

建築材は曲木とすりガラスで
日の光や周囲の緑が微妙に反射するよう
外部の自然とのハーモニーに気を配られたそうです。

人々の憩いのスペースとして使ってほしいという願いから
コーヒーショップと

「世界的に本を読む習慣がなくなってきているので図書館のようにしたい」
と隅の方に本棚もありました。


ロンドン 公園 白鳥

これはうちの近くの森林公園の
白鳥一家。
ことしは雛は2羽のみです🦢

2025年7月27日日曜日

ロイヤルアルバートホールでプロムス

ロンドン夏の風物詩といえば毎年ロイヤルアルバートホールで開催されるクラシック音楽の祭典、BBCプロムス。


ロンドンに長年住んでいながら
天下のコンサート会場
ロイヤルアルバートホールに行ったことがなかったので

これを機会に行ってみることにしました。


ハイドパーク スケッチ

ロイヤルアルバートホールに歩いていく前に
ケンジントンガーデンの
ヘンリー ムーアの彫刻と
サーペンタイン
ケンジントン宮殿を遠目にスケッチ


1941年から開催されている
プロムスは二か月間に渡って世界中の
一流クラシック音楽家が演奏を繰り広げます。

安い席だと日本円で2千円くらいからありますが
(ステージが全部見えない席。でもクラシック聴くには
全部見えなくてもあまり気にならない?)

そういった席を確保するには
プロムスのチケット発売日初日に
プロムスのホームページで発売開始直後に
購入を試みることをお勧めします。

ネットにログインすると
「待合室」で約30分ほど待たされてからやっと購入。


ロイヤルアルバートホール

1867年にオープンしたロイヤルアルバートホール。



ロイヤルアルバートホール

円形のドラマチックな造り

会場が大きくて席を見つけるのに時間がかかるので
開演時間ギリギリに行くのはご法度です。
(私みたいに…😂)


ロイヤルアルバートホール

この日選んだ演目は
バッハとヴィヴァルディの管弦楽団。

ロイヤルアルバートホールは音響がよいのでも
知られています。




この体験に味を占めて
全席売り切れだったパリオリンピックの開会式でも演奏した
フランス人のスターピアニスト
アレキサンドル カントロフが出演する日のチケット確保にチャレンジ!

プロムスは席が売り切れていても開演当日の午前9時半から
プロミングと呼ばれるステージ前の立見席が一人当たり2枚まで販売されます。

9時半きっかりにオンラインでスタンバっていたら
立見席が2枚購入できました!


ロンドン プロムス 入場列

プロミングでアリーナに入場するときの行列


驚いたのが、値段は一枚日本円でわずか1600円程度で
舞台の真ん前で演奏者を観ることができました。


BBC プロムス

こういった会場ではアリーナの立見席よりも
桟敷席の方が格が高いんですね…

ロックやポップコンサートのアリーナ立ち見だと
押し合いへし合いで早くから並んで前の方に入り込んで
演奏中そこから動けないような状態ですが


BBC プロムス

アレキサンドル カントロフ。
できればソロ演奏を聴きたかったんですが
この日はスコットランド交響楽団とのコラボ。


クラシックだと立ち見でも余裕があって
人と人との間に空間があるし
演奏者をクロースアップで観ながら
演奏を楽しむ機会に恵まれました。



サーペンタイン ギャラリー

演奏終了後、すぐ前にある
ケンジントンガーデンを突っ切り
庭園内のサーペンタインギャラリーへ。

窓越しに毎年開催される
建築コンペの受賞者の
建築物が見えます。
(夏の間だけの展示)


サーペンタイン ギャラリー

ギャラリーの展示物は
森や木がテーマでした。
















2025年7月20日日曜日

パリ、ピガールの日本人シェフワインバー

パリ滞在中の目的は展覧会訪問以外に、最もパリらしさに溢れるところを一日一枚スケッチ、一日一回日本人シェフが腕を振るうレストランで食事を楽しむことでした。



パリの街角スケッチ


今回描いたパリのカフェ
ポンヌフの橋のほか
セーヌ川沿いに並ぶ露店の
古本市(ブキニスト)をスケッチしました。

金属の濃い緑の棚が目印。
かつてと比べて開いている露店は大幅に減ったそうですが

パリオリンピック開催期間中
市議会が一時閉店を提案しましたが
「パリの顔」である古本市を
一時的にでも閉店するのはもってのほか
と猛反対の声が上がり

営業はオリンピック中も続けられたそうです。


パリ滞在二日目に訪れたのが
9区ピガールにあるワインバー「228 Litre」



ナチュラルワインを中心としたワインショップ
「Le Cave Pigalle」が運営するワインバー。
シェフ樋渡直久さんが腕を振るう一品料理の数々。

かなり手の込んだ創作料理でしたが
イギリス人シェフにありがちな
奇をてらって外してしまうようなことはなく

山椒など和の香りを取り入れつつ
ワインと合ってじっくり味わえる
深みを感じさせるお料理でした。


パリ ワインバー 料理



パリ ワインバー 料理

後写真撮るの忘れたんですが
ホタルイカと肝を煮込んだ料理は
赤ワインと合ってとても印象的でした。



パリ ワインバー 料理

他のレストランでも思ったのですが
日本人シェフの方の
貝類の扱い方に感服。

日本人シェフが料理をしている
3つのレストランを訪れましたが
各々のシェフの方の個性が料理に反映されていて

フランスの新鮮なハーブや生鮮食品を活かしつつ
ほんの少し日本の風味を取り入れたりして

盛り付けや器も芸術性が感じられ
自己表現ができる機会、
アーティストのようだと思いました。

食の都で頑張ってる皆さん、尊敬です(^▽^)/


パリ ピガール


同じ街中のアパルトマンでも
ロンドンより断然お洒落だわー


パリ ピガール

ピガールには気の利いたデリカデッセンや
ワインショップ、ベーカリー、カフェが立ち並び

また時間のある時にじっくり散策したいと思いました♬


過去に何度も訪れていたので
なんとなく足が遠のいていたパリ。

展覧会やスケッチ、日本人シェフグルメなど

目的をもって訪れると更に意義のある滞在で
予想以上に楽しめたので

また違う季節に訪れたいと思いました♬




2025年7月13日日曜日

パリでマチス展・6区の日本人シェフ

パリ市立近代美術館でマティス展を観てきました。


パリ市立近代美術館はセーヌ川を隔てて
エッフェル塔のちょうど向かい方くらいにあります。


パリ ポンヌフ スケッチ

セーヌ川にかかる美しい橋、ポンヌフをスケッチ


今回のマティス展は、愛娘マルグリットの肖像画のみにしぼったものです。

マティスには三人子供がいましたが
(長女マルグリット、長男ジャン、次男ピエール)
マルグリットの肖像画はスケッチや
油絵, 彫刻など何百もの作品が残されています。

今回の展覧会では未公開のスケッチなどが含まれていました。

ルーブル美術館と違ってビジターは
ほぼみんなパリジャンでした。



マルグリットの肖像画 マチス

一番気に入った作品。
他のロンドンの展覧会でもみた記憶がありますが
ポワレのチェックのコートが印象深い。



マルグリットの肖像画 マチス

全部顔が違って見えるので
作品によっては
似てるか似てないかを気にせず描いていた模様。



マルグリットの肖像画 マチス

これはちょっと奈良美智さん入ってるかなーという作品。
名前も入っててちょっと漫画っぽい?



マルグリットの肖像画 マチス

後期にはニースでプロのモデルと二人で
ポーズを取った作品も多く残されています。


マルグリットの肖像画 マチス

未公開の作品とは多分
こういった普通の人だったら捨ててしまうような
ペンで走り書きしたようなものを指しているのだと思います。


パリ市立近代美術館

全然混んでなくて
ゆっくり鑑賞できました。

パリに到着した日が
夜9時まで開いている日だったのでラッキーだった。


パリ滞在最終日に訪れた
サンジェルマンの近くにあるレストラン、Baillotte。
茨木県出身のシェフ、網津聡さんが総料理長です。


Baillotte スターター

前菜のトウモロコシの冷製スープ。
トウモロコシの香りが深く
器も芸術作品のようで美しい。



Baillotte 魚メイン

白身魚にかかったいくらとムール貝のソースが
美味しかったです。



Baillotte ベジタリアン メイン

夫のベジタリアンのメイン。
色どりがとてもきれい。


レストランの奥にオープンキッチンがあり
ガラス越しにチームが料理に励む姿が楽しめます。

地下の見えないところに厨房を置くレストランが多い中、
シアターのごとく忙しく動き回るシェフたちを観察できるのは
素晴らしいアイデアだと思いました!

























2025年7月7日月曜日

パリでホックニー展・日本人シェフレストラン

パリで2泊旅行をしてきました。


夏にパリを訪れたいと特に思ったことはなかったのですが

私が最も尊敬し、崇め奉っている二人の画家
現在パリで開催中のデヴィッド ホックニーと
マティスの展覧会が8月に終了するので

日本人シェフが活躍するフランス料理屋さんで食事がしたいというのもあり

これは行くしかない!

2泊でもロンドンから始発の地下鉄で朝7時のユーロスターに乗れば
午前10時半にはパリに着けるので
帰りのユーロスターを夜7時頃にすればたっぷり滞在を楽しめます。



ミセススコット パリ スケッチ

パリに来たからには
カフェでスケッチするしかない!

手前に座っていたカップルも描いて
(フランス語だったらアベックって言った方がいいのかしら?
でもそれって死語よね)



イギリス人画家デヴィッド ホックニーの展覧会を
パリで観るのもどうかと思ったのですが

大尊敬する画家の前代未聞の大規模な回顧展なので見逃せませんでした。

パリ郊外のブローニュの森にある
ルイヴィトン財団が設立した斬新な建築の現代美術館
フォンダシオン ルイヴィトン。


フォンダシオン ルイヴィトン

船を連想させる大胆な設計


デヴィッドホックニー 展覧会

大規模な作品でも多数のパネルに分けて描いて
くっつけるのがホックニーの特徴です。

これは彼がアメリカに滞在していた頃描いた
グランドキャニオン


デヴィッドホックニー 展覧会

ホックニーが最も評価されている
70年代の作品は
初期ルネサンス絵画を彷彿とさせる
繊細さと夢見心地な雰囲気を醸し出しています。

このプールの水の描き方を
模倣する画家が後を絶ちません。



デヴィッドホックニー 展覧会


これはイギリスに長年住んでいると感動する作品。

長い冬を得て春になり
5月頃イギリス中で咲き誇るサンザシの花。

この季節になると世界のどこにいても
急いでイギリスにもどって作品を描いていたそうです。



デヴィッドホックニー 展覧会

ホックニーの技量に感嘆させられる
同じ場所を四季を通じて描いた風景画。

木炭画で同じ場所の季節の違いを表現できるのは
巨匠のしるし。


デヴィッドホックニー 展覧会

肖像画も素晴らしいです。


デヴィッドホックニー 展覧会

郊外にあるにもかかわらず
大賑わいだった展覧会でした。


エッフェル塔

このエッフェル塔が目に入らぬかー!と言いたくなる。
これがなかったらここまで大勢の
観光客が訪れなかったのではと思わされます。


ーナーシェフ、佐藤隆司さんの
パリ11区にあるレストラン、Eunoé。
ランチタイムに訪れました。



パリ日本人シェフ 料理

フランス料理定番の田舎風パテを
洗練させて高めた一品。

大根のピクルス風の付け合わせとよく合って
普通の田舎風パテよりも軽い仕上がりでした。


パリの日本人シェフ 料理

ベジタリアンの夫が選んだのは
ハーブの香りが高い
冷製スープ、ヴィシソワーズ。


パリの日本人シェフ 料理

豚肉のローストの下には
ベルベットのように滑らかな食感の
マッシュポテトと濃厚な赤ワインソース。


パリの日本人シェフ 料理

ベジタリアンのメイン
大麦のリゾット。

夫は信じられないくらい美味しいと言ってましたが

家で作るのと違うのは
野菜のお出汁でもちゃんと手間をかけて
たくさんのお野菜を使ってだしを取っていらっしゃるに違いない。

そこで違いがでるんですよね。

一品一品についてくる
数種の鮮やかなソースも
美しい盛り付けも
芸術性あふれた食器も
ミシェランガイド掲載のレストランならでは。


パリの日本人シェフ 料理

酸味の利いたパッションフルーツのソースとの
相性が絶妙なチーズケーキ。


ミセススコットのパリ旅行

パリ旅行3編で書きます!