テートブリテンでホイッスラー展を観てきました。
ジェームス ホイッスラー (1834年生 1903年没)は
イギリスに在住したアメリカ人画家。
ホイッスラーに刺激を受けて
テートブリテンを出た目の前にあるテムズ川沿いのミルバンクで
詳細にこだわらず特徴を強調して
描こうと試みたスケッチ。
印象派の先駆者ともいえるべく
対象物を細かく正確に描くよりも
最も大事な部分を捕えて
雰囲気、感情に重きを置いたスタイルで知られています。
ホイッスラーの兄の肖像画。
南北戦争中、奴隷制度を支持する南部の医療兵だった兄が
ロンドンを訪れたとき、その頃既に奴隷制度を廃止していた
イギリスの人々とかみ合わず反感を買ったと言われています。
クローズアップを観察してみる。
詳細を描き込まずにルースな筆遣いで
大まかに対象を捕え雰囲気を強調するスタイルが
この肖像画にも表れています。
ホイッスラーが使用していた筆も展示されていました。
描き込みすぎずルースに大事な部分だけ捕える手法を実践するために
わざと柄の長い筆を使っていたそう。
ホイッスラーの作品の中で最も有名な
お母さんの肖像画。(パリ オルセー美術館蔵)
南北戦争を逃れてロンドンに息子を訪ねてきた母。
夫が亡くなって20年たってもまだ喪服を着ているほど
生真面目で厳しい母と
画家で生計を立てるのもままならず
奔放な生活を送っていたホイッスラーとの対立もあったようです
母が訪ねて来るにあたって
慌てて同棲相手の愛人を追い出したとか。
波をスケッチした水彩画。
これを観たとき、うわーこの人天才と思ってしまった✨
これからご紹介する3点は
テムズ川にかかるバタシー ブリッジを描いた
「夜想曲」シリーズ
このメランコリックな雰囲気の漂う作品を観た
パトロンがショパンの夜想曲にちなんで
タイトルを付けたらどうかと提案されたそう。
この明かりが水面に映った描写も
黄色と赤の絵の具がひゅーっと塗られているだけ…
ほんとにミニマリズムで
靄でぼやーっとした中に
主体が浮き上がっている感じ。
現実には工場から来るスモッグで
空気が汚染されていたので
ぼんやりと見えていた可能性もあります。
この微妙な色使いは薄く溶いた絵の具を
何層にも重ねることによって生まれるようです。
ずっと眺めていても飽きないくらい
静寂で神秘的な月夜
月の部分をクローズアップしてみました。
月の中央左に立てに走った線は
工場の煙突のシルエットですね。
(ロンドンが丁度産業革命の頃)
こんな幻想的な風景画が描けるホイッスラーは
ゴッホと同じく金銭感覚に乏しく
裕福な友人やパトロンに支えられていました。
この余計な部分を取り除いて
大事な部分だけ思いっきり表現するというのは
試みましたが
絵の技術がないと大変難しいということを発見しました。
全部キッチリ描ける手腕があってこそ
いらないものをそぎ落とせる手法を発揮できるんですね。















































