2023年12月22日金曜日

日が射さない日々も笑顔の肖像画で元気に

ただでさえ冬が暗いロンドンも今年は特にほぼ毎日曇り空で陽の光をみることが殆どなくテンション下がり気味です。


ようやく明日が冬至で
とりあえずこれ以上日が短くなることがないのだと思うと
ほっとしているところです。


後にご紹介するフランス ハルス氏が描いた
たくさんの笑顔の肖像画に触発されて描いた作品。

笑ってる人を描くのって本当に難しいんです!



冬至の日の出を観たいビジターのために

明日の日の出時間7時45分から午前10時半まで
世界遺産のストーンヘンジ周辺の柵が取り払われ
冬至の儀式などに参加することができます。

明日の朝は雨模様のようですが…☔


17世紀にオランダで活躍した名肖像画家、フランス ハルスの展覧会が

ナショナル ギャラリーで開催中です。


ハルス氏の展覧会は2021年11月に
ウォーレス コレクションでも開催されています。


今回のハルス展の大きな違いは
前回の展覧会はハルス氏の収入源だった
裕福な企業家や有力者の肖像画が主だったのに対し

今回の展覧会はもっと大規模で

ハルス氏がお金にならなくても好んで描いていた

酔っ払いや精神障碍者、与太者などが
生き生きと描かれた傑作が満載だったことです。




酔っ払いの肖像画。
もちろん写真なんて存在しない17世紀に
この脂ぎった肌のリアルな表現力に圧倒!



フランス ハルス 肖像画

精神障碍者の権利など
むろん皆無だった中世オランダ。

あだ名をつけられ
からかわれていた街角の障碍者の
仕草や表情に引き付けられたハルス氏は肖像画を制作。


フランスハルス 肖像画

ルーブル美術館所蔵の名作「リュートを弾く道化師」


おどけた生き生きとした表情で

今にもキャンバスから飛び出してきそう。
思わず鑑賞者も楽しい気分にさせられます。

同時期のオランダ画家だと
どうしてもフェルメールや
レンブラントの方が有名ですが

フランス ハルスが
類を見ない偉大な肖像画家だと思う理由は

いたずらっぽかったり
おどけていたり、狂気めいた様々な
「笑い」を表現できる画家は稀であること。


フランス ハルス肖像画

怒って武器を振り回すふりをして
おどける男性の肖像画。
重厚な額も見事。



フランス ハルス 肖像画

朗らかに乾杯する
リュート弾きの少年。

当時のオランダでは
笑って歯を見せたり
おどけている人を描くのは

「お下劣」とみなされていました。

そういった社会的なしきたりもものともせず

収入源だった裕福な企業家や
貴族の肖像画だけにとどまらず

酔っ払いのおっさんを
写真より生き生きと描き上げるられるのは
真の才能に長けた画家だけです。









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