ロンドン、バービカンセンターで開催中のアメリカ人画家、ノア デイビスの回顧展を観てきました。
下書きなしで水彩の室内画という無謀な試みを…
バービカンセンターと言えば
映画「ブルータリスト」の建築家がデザインしそうな
モダニズム建築で有名です。
この手の建築は好き嫌いが分かれますね。
32歳の若さで亡くなった画家、ノア デイビスは
自分の周りの決して裕福とは言えない
コミュニティの人たちを題材として
描く一方
アートになじみのないアフリカ系アメリカ人、ラテン系の住民に
美術館級のアートに触れてほしいとの願いから
彫刻家の妻と共に「アンダーグラウンド ミュージアム」を立ち上げました。
描き込まずに無駄なものをそぎ落とした
シンプルなスタイルと大胆なレイアウトが特徴。
構成やテーマなどは何日もかけて熟考していましたが
一度描き始めると完成は早かったそうです。
アンダーグラウンド ミュージアムを通じて
治安が悪く恵まれない環境に住む人たちに
バレエやオペラ、絵画に親しんでほしいと
望んだデイビス氏の願いにもかかわらず
地域の治安が改善せず
文化を謳歌する方向になかなか進まないことに
失望したデイビス氏の手により
公団住宅の前で黒人の女の子たちが
バレエを踊っている幻想的な一作が生まれました。
亡くなる数か月前の最期の作品は
3作を同時に描き進めていたそうです。
そのうちの一作がこれ。
短いドキュメンタリーも上映していましたが
全く気取った所のない
純粋な人という印象を受けました。
アート制作に関して
「ほかに得意なものが何もなかった。
ほんとにこれしかなかったんだ。」
と言っていたのが印象に残っています。
観賞前にピザで腹ごしらえ。
鑑賞後は「バービカン バー アンド キッチン」で
ドリンクと軽いスナック。
様々な時代の建築が入り混じった
ロンドンならではの背景。
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