2023年6月10日土曜日

耽美を極めたレイトン邸訪問

ケンジントンの高級住宅街に佇むレイトン卿の元私邸の博物館、レイトン ハウスを訪れました。


裕福な医者一族に生まれ育ったフレデリック レイトン(1830-1896)は
若くして画家としての才能を発揮し
ヴィクトリア女王のお気に入り画家に。


1930年代女性 イラスト

古い映画に触発されて描いた肖像画(私作でーす)


ヴィクトリア時代の画家たちは
画廊以外に作品を発表して効果的に売り込む手段として

自宅のスタジオを開放したり
鑑賞者・顧客を自宅に招いて作品を発表するなどということも
珍しくありませんでした。

なので贅を尽くした、趣味の良い
自らの画風を反映したインテリアの家を構え
訪問者を印象付けることは
画家として成功するのに大切な要素だったようです。


レイトン卿 自画像

レイトン卿自画像。自分にオーラかけてる…


上流階級の友人、知人をもてなし
自らの美的感覚を具現化する場として
絵を描くスタジオも備えた
レイトン ハウスの着工に取り組んだのが
早くもレイトン氏が30代の時です。


レイトン ハウス玄関ホール

いきなり玄関ホールからゴージャス



レイトン ハウス 階段
階段の手すりの黒い塗装はジャパニングと呼ばれる
漆を模した塗装効果だそう。
漆黒の手すりの背景に鮮やかなターコイズブルーのタイルが映える。

孔雀のはく製がいかにも耽美主義。


レイトン ハウス アラブホール
「ここは中東?」と見間違えそうな
レイトン邸で最も有名な部屋、アラブホール。


レイトン ハウス アラブホール
中東やトルコで収集したタイルを使って
中東から呼び寄せた職人によって築かれたスペース。


レイトン ハウス アラブホール

細かな模様のタイルや木枠の美しいこと!


ヴィクトリア女王もレイトン邸を訪れています。
きっとアラブホールに感嘆されたことでしょう。

レイトン ハウス 居間

ヴィクトリア スタイルの客間



レイトン ハウス ダイニングルーム

深い赤がテーマのダイニングルーム



レイトン ハウス シルクルーム
シルクの壁紙が貼られた
友人のラファエロ前派の画家の作品などが飾られた
「シルク ルーム」


レイトンハウス シルクルーム

シルクルームの一角にこじんまりと箱状のスペースに収まった
アラブ風のラウンジが設けられていて
窓から1階のアラブホールを眺めることができます。



レイトン ハウス スタジオ

広々としたスタジオ。




レイトンハウス スタジオ
広いスタジオは結婚式などのイベントなどで貸し出されることもあるそう。

訪問客をもてなすのが好きだったレイトン卿は
コンサートやリサイタルなどをこの部屋で催したそうです。
この日もピアノリサイタルがありました。


レイトン ハウス 冬のスタジオ
暗い冬の日はこの温室のような
日が射す「ウィンター スタジオ」で
絵を描いていたそうです。
贅沢だなー。


レイトン ハウス 寝室
おもてなしスペースと
絵を描くスタジオは贅沢三昧にもかかわらず

寝室はこのレイトン卿が睡眠をとるだけのための部屋のような
簡素な寝室が一室だけ。客用寝室もありません。

美男子で裕福、ロイヤルアカデミーの会長職にもつき
成功した画家であったにもかかわらず
生涯独身を通したレイトン卿。

浮いた話もなかったところから
同性愛者説が根強いです。
























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