遂にアムステルダム国立美術館で開催中の17世紀オランダ画家、フェルメール展を訪れました。
現存すると言われているフェルメールの作品37点のうち28点が集められた
これだけの作品が世界中から一か所に集まるのは
これが最後だろうといわれているブロックバスター展。
6月まで開催中ですが、チケットは既に完売だそうです。
フェルメールの作品を数点所蔵する
ニューヨークのフリックコレクションは
最初は貸し渋っていましたが
たまたま美術館を改装するタイミングと重なったので
貸与に応じたなど逸話もあれこれ。
東京の美術館所蔵の作品も一点見かけました。
貸与に至らなかった名作、ウィーン美術史美術館所蔵の「絵画芸術」
元の持ち主、ヒットラーに強制的に売らされたウィーン貴族の子孫との訴訟に
勝って以来、美術館の外に持ち出すことを恐れているとか。
元の持ち主が遺言で貸し出しを禁じているケースもあります。
貸与に至らなかった作品2点がロンドンにあることがわかったので
(バッキンガム宮殿、ケンウッドハウス)今度観に行ってきます!
入れただけでもありがたい展覧会。
もちろん、死ぬほど混んでました!
前回のテートモダンでのセザンヌ展もそうでしたが
じっくり観て内容の濃いリポートというのが難しいです。
辛抱強く並ぶと絵の真ん前まで行けましたが
数十秒以内に退かないと
後ろで待ってる人から顰蹙をかいます。
初期の宗教画などは
かなり大きなサイズもありましたが
有名な作品であればあるほど
サイズが小さく
フェルメールの絵画の魅力が
小さなキャンバスに描かれた
柔らかな光に照らされた室内で
何気ない動作や表情に隠された謎
時が止まったかのような
静寂さ、繊細さを味わうことであることを考えると
A4サイズくらいの絵を
大勢の人が取り囲んで写真を撮ったりしている中で
絵と自撮りしてる人とか
絵と一緒に写真撮ってもらってる人もいて
絵がハリウッド俳優やポップスター状態になっていた😅
絵の世界に「入り込んで」鑑賞するのは
なかなかのチャレンジでした。
かくいう私も
数十秒しか鑑賞できないなら
写真撮って後でみるかと
写真撮りまくってきたのでご覧ください!
「天秤を持つ女」
今回多くの作品を目にして気づいたのが
室内絵画のすべてが
鑑賞者からみて左側に窓が位置し
光が入っていること。右側に窓がある作品は1点もありません。
「信仰の寓意」
青が効果的に使われている
鮮やかな色のタペストリーに
ドレープをつけてつるしているのと
白黒タイルの床は
フェルメール絵画の特徴。
「真珠の首飾りの女」
オコジョの毛皮の縁取りの
黄色のシルクの衣装は
当時のオランダの上流階級の女性の典型的な服装だったのでしょうか
他の作品にもよく登場します。
首飾りをつけて額に入った小さな鏡に見入っている女性。
「地理学者」
ふと窓の外を見上げた
地理学者。
地理学者。
これと対で展示できるはずだったルーブル美術館所蔵の「天文学者」
ルーブルアブダビ(なんでアブダビにルーブル!?)への貸与が伸びて
今回の展示に至りませんでした。
「中断された音楽の稽古」
フェルメール自身が描いた絵について
語っている記録が残っていないので
絵の意味は鑑賞者の解釈次第です。
読まれたくない文面を先生にみられ
若い女性は顔を背け、何かを鑑賞者に訴えかけているのか
「ヴァージナルの前に座る女」
なんだかなじみのある作品だなーと思ったら
ロンドンのナショナルギャラリー所蔵でした!
「ヴァージナルの前に立つ女」とセットで展示されていました。
この名作をセットで所蔵するナショナルギャラリーはラッキー!
「恋文」
鑑賞者がこっそり家の中に入って
ドア越しに
家の人をのぞき見しているような錯覚
登場人物の届けられた手紙に対する反応
フェルメールの永遠のテーマだったのでしょうか
「青衣の女」
手紙に見入る婦人。
椅子に打たれた鋲や背景の掛物に当たる
微妙な日光の反射に注目。
「夫人と召使い」
当時17世紀オランダの使用人と家主の関係は
結構親密だったのでしょうか?
受け取った手紙について話し合っている絵が多い。
そして。。。
遂に本物がみれたー
「真珠の耳飾りの少女」
この絵の背景が他の絵と同じように
室内の様子だったらこれほど有名にならなかったと思います。
振り返った少女の透き通るような美しさが
黒い背景だからこそ引き立ちます!
展覧会自体は6月まで開催されていますが
なぜか「真珠の耳飾りの少女」だけが3月30日までの展示で
(ハーグの美術館に早く返せと言われたのかな?)
この日が最終日。よって凄まじい人だかり。
「手紙を書く夫人と召使い」
夫人からさんざんお惚気を聞かされたのか
延々手紙の相談にのったのか
ちょっとうんざり気味に窓の外を眺める召使いの女性。
「士官と笑う娘」
士官の仰々しいコスチュームと
会話が弾んで晴れやかに笑う娘さんの顔に当たる日の光。
名作です、貸してくれたフリックコレクションに感謝!
「リュートを調弦する女」
色白で光に溶けていきそうな女性の横顔。
得も知れぬメランコリーが感じられます。
絵画と合った素朴な中世の額にも注目。
もう一点の有名な作品
「牛乳を注ぐ女」
神々しさが感じられる緻密に描かれた静物と
右側の間の取り方が絶妙!
パンが置かれていることから
ブレッドプディングを作っていると言われています。
「窓辺で手紙を読む」
全部このタイトルにしてたら
どれがどれだかわからなくなりますよね😆
背景の札か何かを空にかざす天使の絵は
他の作品にもよく出てきます。
美術史評論家によると何かを警告しているとか。。。
「取り持ち女」
絵に入っている細かな亀裂がみえますでしょうか?
「小路」
今でもオランダで見られるような建物ですが
フェルメール マジックで
時が止まったかのような浮世離れした美しさ
混みすぎてて絵の真ん前に陣取れなかった
もっとじっくり、ゆっくり近くで鑑賞したくなるような絵でした!
いかかでしたでしょうか
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