2022年11月12日土曜日

荒波に人生観をこめたホマー展

ロンドン、ナショナルギャラリーで開催中の19世紀末から20世紀初めにかけてに活躍した米画家、ウィンスロー ホマーの展覧会を訪れました。


ナショナルギャラリーに収蔵されている作品は
ヨーロッパの画家によるものがほとんどです。

もちろん欧州に比べ歴史が浅いのもありますが
ナショナルギャラリーで米国の画家が取り上げられることは稀です。

ナショナルギャラリーに多額の寄付をしている資産家や
企業に米国系が多く存在するので
自国の画家を取り上げてほしいという
要望があるのかな?と憶測。


ロンドン ナショナルギャラリー スケッチ

トラファルガー広場から見たナショナルギャラリーをスケッチ


ウィンスロー ホマー(1836–1910) は
リアリズムに重点を置いたルポルタージュ画家として
南北戦争や奴隷解放、スペインとの米西戦争などを描いた作品で
画家としての成功のきっかけをつかみました。

ウィンスロー ホマー 綿を摘む少女

様々な出来事を記録する中でも
海にまつわる天候や事件を題材にした作品は
描写力に長けていました。


ウィンスロー ホマー カリブの嵐

カリブ諸島に滞在していた頃にハリケーンを描いた水彩画


荒波に巻き込まれた漁師の帰還を願う妻や
サメに取り囲まれ九死に一生を得るのか不明の漁師


ウィンスロー ホマー 漁師絵画

ウィンスロー ホマー 漁師の妻


自然に対する畏怖、畏敬の思いが伝わる
海の描写で有名な作品が多数存在します。

ホマーの才能が真に開花したと思えたのは
(実際に最も評価が高い時代)
晩年、海を描くことに専念するようになってからです。



海をある設定の背景として扱うのではなく

海そのものに

波乱の人生

ウィンスロー ホマー 海油絵

喜び、やすらぎなどが感じ取れる
作品は見ごたえがあります。

ウィンスロー ホマー 海 絵画

ホマーも亡くなる直前まで
海辺に体を引きずって行って
絵を描いていたそうです

ウィンスロー ホマー 海 絵画

プロの写真家さんが撮ったらもっと写真映えするのかな?
肉眼でみた実際の作品は
静寂で荘厳なオーラを放ってそびえ立つ
巨大なモノクロームの岸壁が
神々しい一品でした!










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