ロンドン、ナショナルギャラリーで開催中の19世紀末から20世紀初めにかけてに活躍した米画家、ウィンスロー ホマーの展覧会を訪れました。
ナショナルギャラリーに収蔵されている作品は
ヨーロッパの画家によるものがほとんどです。
もちろん欧州に比べ歴史が浅いのもありますが
ナショナルギャラリーで米国の画家が取り上げられることは稀です。
ナショナルギャラリーに多額の寄付をしている資産家や
企業に米国系が多く存在するので
自国の画家を取り上げてほしいという
要望があるのかな?と憶測。
トラファルガー広場から見たナショナルギャラリーをスケッチ
ウィンスロー ホマー(1836–1910) は
リアリズムに重点を置いたルポルタージュ画家として
南北戦争や奴隷解放、スペインとの米西戦争などを描いた作品で
画家としての成功のきっかけをつかみました。
様々な出来事を記録する中でも
海にまつわる天候や事件を題材にした作品は
描写力に長けていました。
カリブ諸島に滞在していた頃にハリケーンを描いた水彩画
荒波に巻き込まれた漁師の帰還を願う妻や
サメに取り囲まれ九死に一生を得るのか不明の漁師
自然に対する畏怖、畏敬の思いが伝わる
海の描写で有名な作品が多数存在します。
ホマーの才能が真に開花したと思えたのは
(実際に最も評価が高い時代)
晩年、海を描くことに専念するようになってからです。
海をある設定の背景として扱うのではなく
海そのものに
波乱の人生
喜び、やすらぎなどが感じ取れる
作品は見ごたえがあります。
ホマーも亡くなる直前まで
海辺に体を引きずって行って
絵を描いていたそうです
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