ロンドンのテートモダンで開催されているロダン展を訪ねてきました。
テートモダンと言えば
名前の通り巨大なインダストリアル スペースにコンテンポラリー アートを
主に展示している美術館です。
アートインストレーションで
クラゲのような物体が空中にふわふわ浮いていた
年代的に20世紀初めまでの作品ならもっとクラシックな
テートブリテンで展示するはずでは?
初春に咲く花をモチーフにしたドレスを纏った女性のイラスト
作品のほとんどはパリのロダン美術館から運ばれてきたものでした。
私はパリのロダン美術館に何度か足を運んだことがありますが
美しいお屋敷の中や庭園内に彫刻が展示されていました。
ただ、素敵なお屋敷の内装や美しい庭園
美術館周辺のパリの街並みにすっかり気を取られて
彫刻は何をみたのかまったく覚えていないのです。
ですので
今回のようなコンテンポラリー アート向けの
広々としたシンプルなスペースに作品が展示されていると
彫刻そのものに集中して鑑賞することができました。
ロダンと言えば「考える人」
数点様々な大きさの同作品が展示されていたので
私 「これ作って大反響だったので受けるからいくつも量産したのかな?」
友人 「ロダンはそういうレベルの人じゃないでしょ。。。😅」
ロダンを自分のレベルの考え方に引き下げてしまった私😂
名作「カレーの市民」
じっくり鑑賞すると、各々の人の感情表現や
手の動きに鬼気迫るものがありました。
私がロダンの作品で最も気に入っているのは女性の胸像です。
甘ったるくなりすぎずに
繊細なロマンが感じられるからです。
太田 ひさ(芸名 花子)の胸像
明治生まれの太田は20世紀初めから
第一次世界大戦前後にかけて
ヨーロッパで活躍した舞台女優です。
当時、日本人が欧州向けに演じる題目といえば
やはり切腹のシーンが呼び物だったようで
歴史上切腹したのはほとんど男性だったという事実はさておいて
眼をむいたすさまじい形相で切腹する演技が
花子のお家芸だったようです。
ロダンは1906年にマルセイユで開催された「コロニアル展」で
初めて花子の演技を目撃し
花子に胸像のモデルになってほしいと申し出ます。
後の花子の供述で
モデルになったはいいが
「この表情を長い間保つのは大変でした」
とおっしゃっていたそうです。
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