2020年8月27日木曜日

嵐の日に訪れたウィリアムモリス記念館

ストーム フランシスが吹き荒れる日にウィリアムモリス記念館を訪れました。


そもそも誰がいつも嵐に名前をつけているのか謎なのですが、気象庁の人が「今回はデニスでいこう!」とか言って決めているのでしょうか。

この記念館は家から歩いて行ける所にあるのですが、そんなに大きな建物ではないので、逆に嵐が吹き荒れている日に行ったらあまり人もいなくてソーシャルディスタンスも保ちやすいだろうと思ったのです。

思った通り私一人貸し切り状態でした。


ウィリアムモリスは日本でも布地や壁紙のパターンなど、リバティ柄と同じくらい馴染みが深いのではないでしょうか。

産業革命以降主流となった、大量生産でごちゃごちゃしたビクトリア朝のデザインに反感を示し、「丁寧に手で作られたすぐれたデザインのものを広めたい」という気持ちから中世のモチーフを基盤にしたウィリアムモリスデザインが生まれました。


ウィリアムモリス博物館
左がモリス氏が忌み嫌っていたビクトリア調デザインの椅子と壁紙、右側がモリス氏デザインの椅子と壁紙。あなたはどちらがお好き?



ウィリアムモリス博物館
バランスの整った建物の外観。モリス氏が10代まで育った生家です。


ウィリアムモリスはインテリアデザインで有名ですが、それは彼の活動のほんの一部分でしかなく、社会主義者としての政治活動や、環境保護活動、出版者としても知られています。



モリス氏像


銀行家を父に持ち、裕福な家庭で育ったにも関わらず、スラム街の貧民に同情し、階級なき平等な社会を訴えました。産業革命の結果公害がひどくなったロンドンの環境に懸念を示し、自宅周辺を取り囲むエッピングフォレストをこよなく愛し、宅地開発で森林が失われてしまわぬよう保護活動に時間を惜しみませんでした。



サイドボード
美しいサイドボード


ウィリアムモリスの妻
歩くラファエル前派のような容姿のモリス氏の妻、ジェーン。この容姿のせいか、ラファエル前派のスター画家、ガブリエル ロゼッティと情事に陥りました。


このように、平等社会、自然保護、手作り、よく考えられたデザインで必要最小限のものを大切に使うなど、現在のイギリス、そして世界に必要なことを推進しようとしていたウィリアムモリス!




常設展のみでモリス氏の功績と人生を生家でじっくり見れて、博物館を出るまで1870年代にタイムスリップしたかのようでした。



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